母の日の思い出
もう10年くらい前の話になりますが、母の日が近くなると思い出します。心温まるハートフルなお話ではありませんww
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私は記念日などにあまり興味がなく、家族の誕生日以外の記念日を忘れがちだ。
結婚記念日も毎年夫に言われて思い出すくらいなので(夫は覚えてる人)、誰かが決めた母の日に当然思い入れがあるはずもなく。
それでも子供が小さい頃は幼稚園で書いた絵や手紙(先生の字、又は印刷で笑)をもらうと嬉しかった。
子供が大きくなるにつれ、学校でそれを強要されることもなくなり、母の日はスルーとなって行ったけれど、
勝手に期待しては裏切られるような気持ちになるのが嫌なので、いつしか期待をすることもなくなっていた。
なくなったはずだった。
あれはいつだったか、まだ子供たちが小学生だった頃の母の日。
夫が急に
「今日はみんなでカレーを作るから何も作らなくていいし何もしなくていいよ。
買い物もみんなで行って来るから!」
と言い出した。
期待していないと言いながらも、どこかで期待していたのかなと思うほどに、その気持ちが嬉しくて喜んでいる自分がいた。
ところがその日、昼寝を始めた夫が夕方になっても起きて来ない。
カレーを作るなら材料を買いに行かないといけないのに、どんどん時間が過ぎて行く。
何もしなくていいよと言ってくれていたけど、自分も何もせーへんのかい。
イライラしながら起きるのを待っていたけれど、いっこうに起きて来ないどころか
気付けばもう18時になろうとしていた。
さすがにそろそろ起こさねばと、夫に声をかけた。
「カレー作るならそろそろ買い物行かないとだけど、どうするの?」
と。
すると夫は、信じられないことに
面倒くさそうにため息をつきながら
「・・・もうデリバリーにせーへん?」
いや、別にデリバリーでもいいのよ。
いいんだけど、
期待させといてそれはなくない?
なら最初からあんなことを言わなければいい。
1日散々待たされた結果がこれって。
「カレー作るって言うてたやん」
と言うと
「・・・はいはい、今から材料買いに行けばいいんやろ」
は?
「そんな気持ちで作ってもらっても嬉しくないんだけど」
「じゃあどうして欲しいねん」
(↑これ!これめっちゃ腹立つ)
「どうして欲しいか、じゃなくて、どうしてあげたいか、じゃないの?!」
無性に腹が立って腹が立って、そのまま車に乗って家出をしました。(母の日のカレーごときで家出ww)
家を出たものの行くあてがなく、よく行くスーパーの駐車場で自分の気持ちが落ち着くまで時間を潰していた。
頭の中でぐるぐると色んなことを考えながら。
だから期待なんてするもんじゃない。
いや、期待してなんかいなかったのに、期待させたのは夫だ。
出来ないことは最初から言わなければいい。
私は母の日に何かを望んでなんかいなかったのに。
いつもと同じように過ごせればそれで良かったのに。
そんな中、夫から何度も電話がかかって来たけどもちろん無視。
でも、ずっとここにいるわけにもいかない。
夫から
「カレーみんなで作ったから帰って来てください」
とLINEがあったのは、家を出てから2時間以上経過した頃。
おなか減ったな…
帰るか。(結局カレーで釣られる笑)
家に帰ると、子どもたちがまるで劇団員のように声を揃えて
「(せーの)母の日、いつもありがとう!」
と、一輪ずつカーネーションを差し出し、食卓にはカレーが並んでいた。
恐らく、車を奪われた男たち3人は仕方なく徒歩で(多分競歩で)スーパーへ行き、スーパーの向いの花屋でカーネーションを慌てて買ったのだろう。
私が家出をしなければきっとしなかったであろうこの行動でも、やっぱり嬉しいものだった。(かまってちゃんか)
それ以降、わが家の男連中は母の日にはとても敏感になってしまった。(かわいそうに笑)
出来ないことは言わないと約束をして、最近はもう最初から外食かデリバリー。
好きな物を選べる、作らなくてもいい、洗い物もない、イライラしない。
最高の母の日ではないだろうか。
そう、これは母の日にしてもらって嬉しかった感動話ではなく、母の日は外食かデリバリーにしましょうというススメの話。笑